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関 氏
ペットボトルの企業といたしましてお話をさせていただきます。先程町長さんがお話しされました大量生産、大量消費ということから環境問題が挙げられてくるわけですが、通信販売やスーパーを見てもわかるように消費者が選んで勝手に持っていくという利便性の裏には、必ず余計なものまで買い込まされるということになりますが、その結果、ごみになっていくわけです。しかし国民が何を望むかというとやはり利便性で、また「昔に戻れ」と言ってもできないことです。割烹着を着て、買い物籠を持って、新聞に包んでもらうような生活には戻れないわけです。
この前北朝鮮から帰ってきた子供さんが「小泉首相と同じジュースを飲んでもいいのか」と質問されたと言っておりましたが、お国柄の違いはありますが、それだけ日本という国は総理大臣だろうと一庶民だろうと、同じ食材を食する環境をもっているわけです。その利便性を獲得している裏には必ず廃棄物が出てくる、しかしそれは自然の成り行きだと思います。資源のない我々としてはこの成り行きをどこで止めるかといっても難しいことです。使えるものは使う、リサイクルできるものはリサイクルする。そこで私は現役の時代から、ペットボトルをリサイクルすることに拘わってきたのでお話いたします。
1977年にキッコーマンのお醤油の500ccのボトルを世に出したのは、実は私が勤務していた会社が最初だったのです。普通のプラスチックというのは燃やしますと1万?くらいの熱量を発するんですが、ペットボトルは5千?くらいの熱量です。これは木材とか紙と同じくらいの熱量です。これらは同じ石油を原料とした兄弟ですが、ペットボトルの構成は水素と酸素と炭素の3つの元素でできているんですね。そのペットボトルを燃やしますと炭酸ガスと水に分解してしまいます。皆さんも聞いたことがあると思いますがプラスチックには『エンビボトル』というものが混ざっており、ビニールハウスのビニールには塩素系のものが使われております。昔はあれを畑で燃やしておりましたが、あの煙だとまわりの稲などは枯れてしまいます。それと比べるとペットボトルは何も混ざっていないので、非常に優しい素材なんです。
ペットボトルは、飲料関係と醤油とお酒だけはリサイクルできることになっており、化粧品などの容器にも使用されておりますが、飲料関係と醤油とお酒のみ分別収集の対象になっております。今1年間に43万tがボトル化して世に出ており、この500ccのボトルでは約150億本くらい生産され、そして24.5万tが自治会等を介して回収されております。これは生産全体の55.6%の比率になります。世界的にみると大変な比率で、こんなに回収率の高い国はないんですね。私は今、皆さんが集めて自治体さんが回収したものをリサイクルする工場のアドバイザーとして勤務しております。今日は、うちの会社でリサイクルしたネクタイやワイシャツを着ておりますが、回収したものすべてがこういった原料にはならず、色物やキャップがあるため総重量の約75%くらいが原料にできます。11か12年前の容器包装リサイクル法という法律ができる以前に、九州のほうの自治体さんを回って分別回収をお願いして歩いたんですが、経費がかかるなどの理由で2〜3の自治体を除いて断られてしまいました。
実は質の問題なんですが、この塩谷広域さんは間違いなく奇麗です。ペットボトルのリサイクルは国の認定を受けた者しか扱うことができないので、全国59の事業者がありますが、毎年この59の事業者の入札なんです。そして国で振り分けてもらうシステムなので、今年の3月までは塩谷広域さんのものを私の会社が扱っていましたが、残念ながら今年はとれませんでした。
氏家町は残念ながらごみが多い。これは行政だけに責任を持たせることでなく、住民の責任だと思います。氏家町には広い農地があり、そこで農薬をやたらに使っていたら、すぐには出ませんが何年後か、もしくは孫子の代になって弊害が現れて来ることでしょう。こういう問題を真剣に考えているんだろうかといつも気になっています。今日入り口の所でボランティアの方が集まってEM菌のPRをしていたようですが、こういうことを1つ1つやることが大事なんです。そしておいしく安全な野菜作りを行政とタイアップして進めていかなかったら、今後、食の安全は保てないのではないでしょうか。
現在私のいる工場には、保育園の子供から小学生中学生、そして老人大学のお年寄りが年間3,000人くらい来ます。大体私が説明を担当しておりますけれど、みんな熱心に聞いてくれます。今のお母さんの年代になりますと、大量生産、大量消費に慣れた世代に当たり、余ったものは捨てればいいよという方が多いだろうと思います。ですから、節約とか分別とか言っても、言うことはわかるけれど現実に伴わない場合があるわけです。これからの将来は子供さんが、節約とか分別とか、そういうものを文化として育っていただかないと良くなっていかないだろうと思います。教育の問題でも、もっともっと取り入れて、より良い町づくりをやっていただきたいと思います。ましてや桜市になるんですから奇麗な町にしたいと思います。
今泉教授
以上でお三方の経験を発表していただいた訳ですけれど、こう言ったご意見をお聞きして、北島先生から努力してもなかなか減っていかない現状、その辺をどういうふうにしていくのか、コメントをお願いいたします。
北島教授
昨日考えていたことですが、氏家の可燃ごみは平成10年度を100としますと、54.8%増加しています。どうしたことなんですかねということが昨日から頭にありました。今日お三方からの話を聞いておりまして、加藤さんからはごみのスリム化道場ということ、ごみは松島、小入、早乙女の皆さんのおかげだということ、菊地会長さんの方からは人づくりのモラルですね。水田の用水に粗大ごみを捨てる、これは溶け出すと重金属汚染になりますが、こういうことが平然と行われているとのことですね。これは塩谷広域以外の人のなせる業だと思いますけれど。教育によって意識改革を進めることですかね。私はもともと社会学ですから、どうやったらよりよい共同生活が営めるかというのが商売です。社会学の見地から、社会というのはお互いの感謝でもって支え会っているということがないと、社会は解体していくと思います。痛みが痛みとして感じられることがなぜ欠落していくのかなということがあるわけでなんですね。例えば、家庭の中でも「俺が居るのは君のおかげ」と夫婦間に感謝の意があるわけで、その感謝がごみを通して、向こう三軒両隣、それが自治会活動、自治会連合会活動と繋げられるはずなんですね。
私はごみ問題を通してある種の体験があると、もっとより良くごみ問題を理解できる、感情的にも理解できると考えます。人間というものは感情移入できますからできると思います。ごみを無くすことはできないことですが、考えてみますと最終処分場が無くなれば、焼却炉を無くさざるを得ないわけですよね。そうするとごみは出せないわけですから、ごみを出さない生産システムを考えなくてはならない。こうなればいいんですが、それができない。というのは恐らく家庭でも隣近所、自治会相互でも考えてないことの現われだと思います。個々では努力しているんですが、それが共感しあっていかないことはなぜだろうかなと思うんです。
そこで僕はこういうことをやったら良いと思うんですね。この間、板戸の最終処分場を見学して来ました。55億円で作っていますが、関連経費を入れますと100億です。15年もちます。ただしその後もランニングコストが掛かりますから膨大な経費になります。今度、松島地区体験ツアーを町内会ごとにやって、「俺たちは皆さんのおかげでごみが出せるんだ、じゃあ少なくしなければいけないよね」と共感しあえる形をつくると同時に、焼却炉で困難を極めている松島の人達と、それ以外の氏家町の人達が円卓を囲んでディスカッションすべきだと思います。
最後に陣内先生がお話した『氏家町へのラブレター』、これは違うと思いますね。松島、小入、早乙女地区へのラブレターでなければだめだと思います。
今泉教授(コーディネイター)
お三方及び先生方に意見を述べていただきましたが、会場の方で陣内先生や地域の代表の方に是非とも伺っておきたい、あるいは「普段自分はこう思っているんだけれど」というご意見のある方は発表していただきたいと思います。
会場(森嶋氏(町内))
ごみは出さないで、できるだけ再利用するということに尽きると思います。八戸の屋台村の話があったもんですから、タバコの吸殻はどうなっているのかということを陣内先生に質問したんですけど、それは再利用していないということでした。去年のタバコの消費量が日本で3000億本なんですね、吸殻はだいたい1gくらいあると思いますので、年間30万tになります。再利用や生ごみにはなりません。生ごみに混ぜるとミミズや団子虫が死んでしまいます。タバコの葉っぱは、1本で赤ちゃんが死んでしまうような毒があり、フィルターは自然界では分解されなくて川に流されて海辺に溜まります。非常に問題なものなんですね。
ダイオキシンの発生は1番がごみ焼却施設で90%を占めますけれど、第2位が燃えているタバコの煙で0.4%なんですね。葉っぱが燃えるといっぱい発癌物質が飛び散り、ダイオキシンよりもっと猛毒なものが入っています。これをどうしたらいいかということを教えていただきたい。
昨日氏家駅に行きましたら禁煙になりまして、町長さんがいらっしゃるので聞いて欲しいのですが、もともとは駅前に灰皿があったんですね。それが無くなって、駅前がどうも汚いと思っていたらそれが原因だったんです。今は駅の前だけでも30本〜40本吸殻が落ちています。放っておきますと海まで流れて行きますので、これをどうしたら良いか教えていただきたいと思います。
今泉教授(コーディネイター)
私もタバコは吸わないのでどなたかお答えいただきたいですが、陣内先生どうですか。
陣内助教授
私もタバコは吸ったことがないので、吸う人の気持ちがわからないんですが、実はタバコがそんなに問題だっていうことを初めて聞きまして大変勉強になりました。タバコを駅で禁止したらその周辺が汚れてしまった、これはタバコに限らずごみの性質だと思うんですよ。例えばこの建物の中でこういうごみはだめですよって言ったら、周辺にそのごみが散らばる。意識を根本的に変えていくということをやらない限りは、タバコのポイ捨てに限らずイタチゴッコで、どこかにごみを散らかしていくのだと思います。どなたか言っておられた情緒的に訴えるとかですね。私は昨年度から環境教育コースも担任しているのですけども、決定的に思うのは環境に関する教育であるとか、そういうことに関する体験ですね、経験をしているということが重要なことです。自分がある行動を起こすことで問題が発生するかどうかを感じ取れるとかですね、それをやるしか根本的な解決にはならないと思います。タバコの消費量を減らすということがあるんですが、そうすると自治体に税金が入ってこないことになりますので・・・お答えにはなっておりませんがそういうことを感じております。
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